コロナ禍を経て進化! インタラクティブコンテンツ 最新活用事例を紹介
DX推進
DX先端研究所でも何度か取り上げているテーマの一つに「インタラクティブコンテンツ」があります。技術の進歩と社会全体のデジタル化により、双方向でコミュニケーションが発生する「インタラクティブコンテンツ」はますます浸透してきたと言えます。
今回の記事では、改めて現在のインタラクティブコンテンツの進化とその背景から具体的な事例まで併せてご紹介させていただきます。
鈴木脩一
研究員/広報
- 調査概要
インタラクティブコンテンツが浸透した背景
コロナ禍を経てのDXの浸透
2019年の年末から全世界を覆ったのが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるパンデミックです。感染症の拡大を防ぐために、多くの人の移動や行動が制限され、同時に経済活動にも大きな影響を及ぼしました。
その問題に対応すべく急速に進んだものの一つがDXです。実際に対面で会えなかったとしてもオンラインでのミーティングや会議を行うためのツールや、メタバースによる大型イベントなど様々な場面でデジタルの利活用が求められたことが要因と言えます。
ChatGPTを始めとする人工知能(AI)の進化
2022年11月にOpenAI社が発表したChatGPTに代表されるAIの進化も大きな変化の一つです。AIの研究自体は既に行われていましたが、AIが学習する膨大なビックデータを処理するための技術が進んだことにより進化したとも言われています。さらにその学習自体を自動化する「機械学習」や情報の精査まで行う「深層学習」の発展がそこに拍車をかけました。
これまで一部の技術者や研究者によって活用されてきた人工知能ですが、ChatGPTを始めとする近年のAIは特定の技能を必要とせず、一般の消費者が気軽に活用できることが最大の特徴です。
このコロナ禍を経たDXの浸透と人工知能の進化により、社会におけるインタラクティブコンテンツが進化したと言えます。
インタラクティブコンテンツの最新事例
では実際に現在のインタラクティブコンテンツはどのような進化を遂げているのでしょうか?いくつか事例をピックアップしてご紹介します。
生成系AIとの連携
デジタルサイネージを活用した遠隔接客はコロナ禍で注目されたインタラクティブコンテンツの一つです。コロナ禍以前から、少子高齢化に伴う労働人口の減少への対策の一環として小売店をはじめとして様々なシーンで活用されてきました。
近年ではこのデジタルサイネージを活用した遠隔接客にAI(人工知能)を組み合わせることで、業務の質の向上に活かすサービスも生まれています。
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— 【公式】遠隔接客サービスRURA@タイムリープ株式会社 (@RURAtimeleap) April 28, 2023
🗣️プレスリリース!
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ChatGPT APIを利用した #接客採点 機能を、β版として5月中旬にリリースいたします!
📍遠隔接客の会話内容の文字起こしと要約
📍遠隔接客の採点
📍より良い接客にするためのアドバイス
接客の質の可視化にチャレンジしていきます✨#RURA https://t.co/YsxhfsscEs
タイムリープ株式会社が2023年4月に発表したのが遠隔接客サービスにChatGPTを連携させて、接客の会話内容の要約とその評価を行うシステムです。このシステムでは予め導入企業ごとに設定した良い接客の基準をChatGPTに学習させておき、実際の接客内容を要約して入力することでChatGPTが自動的に採点・評価・フィードバックを行います。
この事例に代表されるように労働力不足の解決だけでなく、AIを組み合わせることで指導育成と分野にまでその活用が広がることが期待されます。
ARコンテンツ×観光・商業施設
コロナ禍を経た今、ビジネスや観光に伴う人々の移動が戻りつつあります。観光施設や商業施設においてもインタラクティブコンテンツの活用が進み始めています。そこで活用されているのが我々の生活には欠かせないスマートフォンを活用したAR(拡張現実)です。
複雑な屋内でも AR でわかりやすく案内!
— Google Japan (@googlejapan) December 14, 2022
Google マップ の「インドア ライブビュー」が、ますます便利になりました 📍
🚉 JR 東日本の 65 駅で利用可能に
🏢 駅接続の商業施設のお店にもナビゲート
詳細はこちら ⇒ https://t.co/2CYWmGjzsp#Googleマップ pic.twitter.com/tgx1KrYlTZ
2021年7月からJR東日本はGoogle マップの「インドアライブビュー」への対応を始めています。この「インドアライブビュー」とはGoogleがGoogle Mapにて提供しているARを活用したナビゲーション機能です。(映像参照)このコンテンツではユーザーは対応する商業施設の中でカメラをかざすだけでカメラ越しに向かうべき方向や経路が分かる形になっています。
従来は建物の外や街中で活用されていたこのAR機能ですが、更に精度をまして駅や空港、等でも活用が進んでおり注目されています。特にアフターコロナを見越して今後増加しているインバウンド観光客への対応として直感的で分かりやすいこのインドアライブビューは様々な活用が期待できます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はコロナ禍以降のインタラクティブコンテンツの最新事例をご紹介いたしました。下記に要点をまとめさせていただきます。
・コロナ禍を経てDXが推進されて、インタラクティブコンテンツへの需要も高い
・ビックデータの活用、機械学習・深層学習の発展による人工知能の普及
・デジタルサイネージにChatGPT等の生成系AIを組み合わせた業務効率化
・ARを活用した駅や商業施設の活性化
近年の技術の進歩、特に人工知能の分野におけるスピードは加速度的に上がっていると言えます。大企業だけではなく、中小企業から大学発のベンチャー企業まで様々な挑戦が繰り返されています。急速な進歩の一方で法整備が追いついていないなどの懸念点もあることは事実です。しかし、ここで重要なことはメリット・デメリットをしっかりと踏まえながら新しい技術を正しく理解し活用することではないでしょうか。今後も本研究所では様々なインタラクティブコンテンツに関わるトレンドをご紹介していきます。