DXで広がる新しい「展示会」の形
DX推進営業活動
まだまだ暑い日が続きますが、例年暑さのピークも一段落する9月は全国で様々なイベントが行われます。ビジネスシーンでも企業が集まる合同の展示会が9月から10月にかけて、比較的多く開催されています。
展示会は新商品や新サービスの発表、認知の拡大から情報収集や新たなビジネスマッチングの場として重要な施策の一つです。さらに近年では従来の名刺交換やビラの配布といった手法に加えて、デジタル化の推進により効率化や成果UPを高める「展示会DX」の流れも生まれています。
そこで今回は展示会やイベントにおけるDXの事例を紹介します。
鈴木脩一
研究員/広報
- 定量調査概要
展示会でDXが求められている理由
展示会やイベントでDXが求められている背景には様々な要因があります。
オンラインの浸透
近年では感染症対策の一環としてオンラインでの展示会やイベントなどが急速に普及しました。当初は代替手段としての意味合いが強かったオンラインでの実施ですが、参加者側が気軽に参加できることやデータの共有などが簡単に行える等の様々なメリットも認識されるようになりました。
緊急事態宣言が解除され、大型イベントの規制も緩和された今ではリアルとオンラインでの開催を同時に行う「ハイブリッド型」の展示会が注目されています。
情報収集・データ化の効率化
企業が展示会に出展する目的の一つの中が、訪れた来訪者の情報収集です。今後の自社の見込み顧客となり得る顧客のデータを収集し、営業活動に活かすことが期待されています。
そのためには、ブースに訪れた来場者と名刺の交換、自社の紹介やヒアリングの上で情報をリスト化し、見込みの高い顧客へ迅速に次のアプローチが必要です。
一般的に展示会の会期中はブースでの対応が優先され、データの入力や整理にかけられるリソースは限定的になりがちです。また、データの整理自体にも時間がかかることでアプローチまでにタイムラグが生まれることもあります。つまり、展示会の内容だけでなく来場者の情報収集とそのデータ化をいかに効率的に行うかが重要です。そのため、名刺をその場でスキャンしてデータ化する管理ツールや、自動的にリスト化するツール等にも注目が集まっています。
参加者の「価値体験」の向上
展示会ではリアル・オンライン問わずですが、まず自社のブースに訪れてもらい少しでも長く滞留してもらうことが重要です。したがって来場者が思わず目を留め、立ち寄りたくなるコンテンツが必要です。特に合同の展示会では他社のブーストの差別化や視認性など様々な要素を検討しなければなりません。
目を留めた参加者にとってメリットのある時間となる体験を提供すること、言わば「価値体験」とも呼ぶべき体験を提供するコンテンツが求められています。情報を一方的に与えるだけでなく、サイネージやスマートフォンコンテンツ等で体験できるデジタルコンテンツの活用もその一つです。
展示会のDX事例
オンラインのライブ配信だけでなく、バーチャル空間にブースを設置して主催者や参加者がアバターを使ってコミュニケーションを行う「バーチャル展示会」は展示会DXの最たる例の一つです。
アクアスターでは、このシステムを活用した展示会ソリューションをご提供しています。このシステムはブラウザのみでスムーズに体験できるため、PCでもスマホでも体験することが可能です。そのため、参加のハードルが下がりより多くの来場者が見込めます。
主催者にとってもオンライン環境さえあれば参加者の対応ができるため、より多くのメンバーで効率的に運用することが期待できます。
さらに、先程挙げたポイントの情報収集の面では会場に入るためのメールアドレス登録の時点で情報収集し、参加者がバーチャル空間内のどのコンテンツを見たかといったログも分かるため、その後のアプローチをスムーズに行うことができます。
2023年1月に開催された『Yahoo! JAPAN MARKETING DAY 2023』はこのアクアスターのシステムをカスタマイズしたバーチャル展示会として開催されました。
いかがでしたでしょうか?
今回は展示会におけるDXについてご紹介しました。
今後展示会やイベントでの展開を検討している人にとっては避けては通れない話題ではないでしょうか。そのため今年、開催される展示会に参加者する際などに、どのようなDXが進められているかその事例収集も重要と言えます。