公開されたTwitterのアルゴリズム 運用で抑えるポイントは?
DX推進
以前の記事でTwitterやInstagram等の運用ポイントについてご紹介しましたが、Twitterがツイートの表示されるアルゴリズムを2023年3月31日に公開したことで大きな話題になりました。「どんなツイートがより多く表示されるのか?」というアルゴリズムがソースコード一部を含め公開されたことで、Twitterの運用には様々な見直しが求められることになりました。今回のブログでは公開されたTwitterアルゴリズムを踏まえた運用のポイントについてご紹介します。
鈴木脩一
研究員/広報
- 調査概要
1:Twitterのアルゴリズム公開は何故注目されたのか?
Twitterではアルゴリズム公開に至るまで、特に2023年に入ってからは様々な動きがありました。2023年1月頃からTwitterのホーム画面では「おすすめ(英語では[for you])」としてTwitter側のアルゴリズムに応じたツイートを表示するタイムラインがデフォルトとして表示されるようになりました。この仕様変更により、フォローしているユーザー以外のTweetも表示されるため大きな話題となりました。この独自のアルゴリズムによって表示されるTLがデフォルトとなったため、今回のアルゴリズム公開への注目が集まったと言えます。
2 :Twitterアルゴリズムのポイント
Twitterでは「Twitter's Recommendation Algorithm」という記事でアルゴリズムのポイントを紹介しています。そこではユーザーのタイムラインに表示されるツイートが抽出されるプロセスが大きく下記の三段階にまとめられています。
1:表示されるツイートの候補を選定する
2:選定されたTweetがランク付けされる
3:ランク付けされたものを最後にフィルタリングして表示
ここでは段階毎にその詳細をご紹介します。
2-1: フォロー/フォロー外ツイートの選定
約1500個のツイートがアルゴリズムを元に抽出されます。その中でも平均で50%がIn-Network(フォローしている人)で、残りの50%がOut-of-Network(フォローしていない人)のツイートで構成されます。。
In-Networkのツイートのなかでも特に優先されるのはお互いの「エンゲージメント」が高いユーザーのつぶやきです。このエンゲージメントとはお互いのツイートへの反応を指します。フォローしている人の中でもクリックして詳細を見たり、「いいね」や「リツイート」・返信したりするなどの行動が見られるユーザーのツイートを優先して抽出しているということです。
一方で残りの50%であるOut-of-Network(フォローしていない人)のツイートの抽出はやや複雑になります。
・フォロー中のアカウントが(自分以外に)エンゲージメントしているかどうか
・自分と同様のツイートにエンゲージメントしているアカウントかどうか
・ツイート内容を数値化してグループ分けした時に同様のグループかどうか
主に以上の3点を軸にフォローしていないアカウントのツイートから残りの50%は抽出されます。
2-2:スコアによるランク付け
また、ツイート別にスコアがつけられて、そのスコアのランク順に表示されることになります。スコアは「いいね」や「リツイート」、ツイートの表示数や返信等のエンゲージメントに応じて加算されます。一方で、ミュートされたり違反報告されたりしたツイートは減点の対象にもなります。
また、アカウントの条件によってもスコアに影響があります。例えば、フォロワー数の数と比較してフォロー数が著しく多いアカウントにはスコアが低めの設定となります。さらに2021年6月に導入されたTwitterの有料サブスクリプションである「Twitter Blue」のユーザーはスコア上でも優先されます。
2-3:フィルタリング
最終的には一定のフィルタリングがされた形で、ユーザーの「おすすめ」のタイムラインに表示されます。除外される基準は多岐に渡りますが、ブロックやミュートの設定にしているアカウントからまず除外されていきます。
その他にも、違反報告等の否定的なエンゲージメントが多いツイートも除外されていきます。
また、ツイートの内容外でもフィルタリングは行われます。同一のユーザーのツイートを連続させない調整や、フォローしている人/していない人の数のバランスもこの時点で再度行われます。
3:アルゴリズムを踏まえた運用のポイント
ここまで、公開されたアルゴリズムの特徴についてご紹介しました。
では、この特徴を踏まえて今後Twitter運用はどのような点に注意するべきでしょうか。
様々なポイントが考えられますが、最も大事な点はターゲットとのコミュニケーションを重視する、という点にあります。
従来通りのフォロワー数を増やす施策も勿論重要ではありますが、「おすすめ」のタイムラインがデフォルトになった為、ただフォローされているだけではタイムラインに表示されない可能性が出てきました。
フォロワーをただ増やすだけでなく、自社のツイートに対して興味を持つユーザーとの接点を増やしながら、「いいね」や「リプライ」等のエンゲージメントを増やしていくことが今回紹介したアルゴリズムに効果的です。最近増えてきた「フォロー&リツイート」キャンペーン施策などはこの一環といえます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は公開されたTwitterのアルゴリズムとそれに対する運用のポイントをご紹介しました。表示されるツイートをアルゴリズムによって「おすすめ」してくる仕様になり、しかもその表示されるアルゴリズムが公開されたことで様々な企業がTwitter運用の方法を見直しています。
Twitter社はアルゴリズムについて言及した「Twitter's Recommendation Algorithm」の中で「Twitter is the center of conversations around the world.」と締めくくっており、広告や大量投稿による一方的なつぶやきではなく、「Conversation(会話)」の重要性をそのポリシーとして掲げています。今後のTwitter運用ではこのターゲットとのコミュニケーションこそが重要です。
アルゴリズムだけでなく、ソースコードも公開されており今後はよりTwitter社とユーザーとの間での「会話」からより有用なSNSへと変化していくことも期待されます。日々の運用と併せて、今後も新しい情報へのキャッチアップが必要と言えます。