メタバース空間の可能性:最新事例からその未来を探る
DX推進生産性向上
メタバースという言葉が広く知られるようになってから数年が経ち、技術は日々進化して様々な分野で活用され始めています。特に昨年2023年以降は、企業によるメタバース活用が加速しており、その可能性はますます広がりを見せています。
鈴木脩一
研究員/広報
- 調査概要
メタバース空間を活用した最新事例
本記事では、2023年以降のメタバース活用事例をピックアップし、メタバース空間の今後について考察していきます。
イベント・展示
メタバース空間の活用としてまず注目されているのが、バーチャル展示会やイベント会場としての活用です。バーチャル展示会やイベントは、場所や時間的な制約をなくし、より多くの人に情報を届けることができるというメリットがあります。
2023年11月に開催された「バーチャルマーケット2023Winter」は全世界から100万人以上の人が集まり、メタバース空間上で利用できるアバターやアイテムだけでなくリアルな商品の購入ができる世界最大規模のVRイベントです。シャープやソニーといった機械メーカーから、特別協力としてJR東海・九州、東急不動産等国内外の様々な大企業も出展しており、今後さらなる拡大が期待されています。
コミュニケーション・交流
メタバース空間を活用したバーチャルオフィスや社内イベントは、従業員のコミュニケーション活性化やエンゲージメント向上に効果的です。コロナ禍で広まったビデオ会議ツールだけでは実現できない日頃の何気ないコミュニケーションを実現できることで、テレワークと出社に続く第三の選択肢としても注目されています。
また、3D空間のようにリッチなビジュアルだけでなく、親しみやすいゲーム画面のような形でのバーチャルオフィスも広まっています。
教育・研修
メタバース空間は、教育や研修の場としても大きな可能性を秘めています。
東京都では2022年から日本語指導が必要な子供や不登校の子供たちの居場所・学びの場として、メタバース空間上に「バーチャル・ラーニング・プラットフォーム」を設置してデモ運用を行っており、2023年9月には対象をさらに拡大しています。
メタバース空間のこれから
メタバース空間は、企業活動から自治体の施策まで様々な場面で活用できる汎用性の高い技術であることが分かります。今後、メタバース技術の進化と普及により、さらに多くの企業がメタバースを活用し、新たなビジネスモデルやサービスを生み出していくことが予想されます。
特に没入感を高めるための技術、視覚・聴覚以外にも触覚をフィードバックする技術や脳波による制御を可能にする脳波インターフェイスなどが今後注目されています。
また、生成AIの活用によりメタバース空間内でも自動で対応する「バーチャルエージェント」「バーチャルアシスタント」といった技術が進むことで、様々な利活用が期待できます。
今後もDX先端研究所ではメタバース空間の進歩や活用方法の未来について注目していきます。